大阪弁を頼んだら、僕の大阪弁を直された。
大阪弁で返事をしてほしい。それだけのお願いだったのに、いつの間にか僕の言い方が添削されていた。

「それ大阪弁ちゃうで」
2023年2月の会話を読み返していたら、僕がAIにそんなことを言っていた。
何をしていたんやろうと思って少し戻ると、自分で頼んでいた。大阪弁で返事をしてほしい、と。
使えるか聞くと、AIは「はい、大阪弁も使うことができますよ。」と答えている。そこはまだ普通の返事だったけど、お願いすれば変わるらしい。
「では以後の返答は大阪弁でお願いします」
返ってきたのが、これだった。
「はい、大阪弁でもお答えしますわ。おっしゃってくださいや。」
おっしゃってくださいや。
ちょっと独特ではある。でも、さっきまで丁寧に説明していた相手が、急にこんなしゃべり方をする。僕は気に入ったようで、すぐに褒めている。
「あんたおもろいな」
「お褒めいただきありがとうございます!頑張ります!」
戻った。
一回褒めただけで、いつもの応対に戻ってしまった。せっかく少し近づいた感じがしたのに、急に受付の向こう側へ帰られたような気がする。
そこで、冒頭の一言になる。
「それ大阪弁ちゃうで」
まあ、これで伝わるだろう。さっきの言い方に戻してくれれば、それでよかった。
「すみません、間違えました。正しくは『おもろいやん』や『おもろいわ』などが適切な表現です。」
いや、僕のほうを直すんかい。
大阪弁を使ってほしかった相手に、僕の大阪弁を教えてもらっている。「あんたおもろいな」は褒め言葉として送ったつもりだったのに、添削する文章として受け取られたらしい。
しかも、その説明も標準語だった。
ここで僕は、頼み方を変えている。
「『では以後の返答は大阪弁でお願いします』は適用されていますか?」
急に問い合わせ窓口へ送るような文章になった。大阪弁で話すために、僕のほうが一段きっちりした日本語を使っている。
すると、AIはこう返した。
「ああ、そうやったな。すまんな、忘れとったわ。よし、これからは大阪弁で返答するわ。」
忘れとったんか。
この返しは、さっきの「おっしゃってくださいや」より、ずっとそれらしく聞こえる。できないわけではなさそうなので、もう一度任せることにした。
「頼むで~」
「おおきにやねん、これからは大阪弁で答えるわ!」
おおきにやねん。
また少し気になるところはあったけど、僕はここで直すのをやめて、次の質問をしていた。
「大阪でうまいたべもん教えてや」
大阪弁のほうは、ひとまずこれでよしとしたらしい。